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郵便局・学資保険・税金


■ 郵便局の学資保険 -- 「税金」との関係

学資保険に限らず、保険と税金の関係は単純ではありません。
多面的に理解していく必要があります。

郵便局の学資保険は、税金との関係で見ると、下記のようになります。

(1) 支払った保険料は「生命保険料控除」の対象
(2) 入学時などに受け取る祝い金は、「一時所得」と見なされ、課税の対象
(3) 満期に受け取る満期保険金は、受け取る人によって課税の仕方が異なる。「一時所得」、「所得税」、「贈与税」などの対象
(4) 扶養者が死亡した場合、以後毎年受け取る育英年金は、こどもが受け取る場合はこどもの所得と見なされ、「所得税」の対象に


では、順を追って説明していきます。




(1) 学資保険の保険料(掛け金)は、生命保険料控除の対象になり、所得税と住民税から控除されます


では、生命保険料控除とは何か?
わたしたちが生命保険のために支払っている保険料は、
その性質上、他の買い物と違って、自らの「命」や「健康」に支出しているものです。
したがって、他の支出とは区別して、生命保険のために支払った保険料は、
必ずしもその全額ではないものの、たとえ一部であっても、
その支払額に応じて税金を軽減してあげましょう、という主旨のもとに作られている制度が、
生命保険料控除です。

郵便局の学資保険の控除額は、以下のようになります。
(この表は、所得税の表です。住民税の控除表は、また後ほど)

 支払い保険料(年額)             控除額
 25,000円以下              支払い保険料全額
 25,000円超〜50,000円以下  支払総額÷2+12,500円
 50,000円超〜100,000円以下 支払総額÷4+25,000円
100,000円超                一律50,000円

以上です。

では、実例を当てはめてみましょう。

・ 契約者 小林 凛子
・ 月々の保険料 12,500円

<控除額>
【支払い保険料】12,500円×12=150,000円(年額)
これを上の表に当てはめると、一番下の行に相当。
したがって、小林家では、50,000円が課税対象額から控除されることになります。

※※※
けっこう多くの人がカン違いしているのですが、
「控除額」とは、軽減される税金の金額そのものではありません。
上の小林家の例でいうと、
小林家では、税金が50,000円安くなるのではないのです。
たとえば、小林家の年間所得が500万円あって、
社会保険料、医療費等のさまざまな控除額を差し引いた結果、
課税対象となる所得が350万であったとすると、
その350万から生命保険料控除の額である50,000円を引いた、
残りの345万円に対して、課税されるわけです。
だから、実際に軽減される税金の額は、50,000円よりずっと小さい数字になるのです。
扶養家族等その他の条件で異なりますが、
一般的には、実際に軽減される税金の額は、控除額の10分の1程度といわれています。
つまり、小林家の場合は、5,000円くらいです。
ゆめゆめ50,000円税金がやすくなるなどとお考えにならないように。

以上、所得税で説明してきましたが、
生命保険料控除は、住民税でも受けられます。
住民税の控除額は、以下のようになります。

<1年間に払い込まれた保険料総額>       <生命保険料控除額>
       15,000円以下               年間払込保険料のすべて
 15,000円超〜40,000円以下   年間払込保険料総額÷2+7,500円
 40,000円超〜70,000円以下   年間払込保険料総額÷4+17,500円
      70,000円超                 一律35,000円

以上です。

※ 生命保険料控除は、所得税、住民税の双方で税金が軽減されるということになります。

<生命保険料控除の手続き>
郵便局の学資保険に加入している人が生命保険料控除を受けるには、
あなたが給与所得者なら、年末調整の際に、
郵便局で発行する学資保険の支払い証明書を勤務先に提出します。
自営業者なら、確定申告の際に、支払い証明書を税務署に提出します。
※ 給与所得者であっても、一定の額を超える所得の人は、確定申告の際に提出します。




(2) 入学時などに受け取る祝い金は、「一時所得」と見なされ、課税の対象

郵便局の学資保険には生存保険金(いわゆる、祝い金)の付いたタイプがあり(付いていないものもある)、こどもが高校に入学したときなどに、50万とか60万といったまとまった額を受け取ることができます。

この生存保険金は、契約者の一時所得と見なされ、課税の対象となります。
ただし、ほとんどのケースで、実際に課税されることはありません。でも、一応説明します)

課税所得は以下の計算式で算出されます。

生存保険金−(既払込保険料−それまでに受け取った生存保険金の額)−50万円>÷2


実際に金額を当てはめてみると、
郵便局の学資保険に限らず、現在日本で販売されている学資保険(こども保険)のほとんどすべての契約において、課税額は「0」になります。
課税額が発生するのは、ごく一部の、非常にリターンの大きい契約のみです。
だから、実質的に、生存保険金(祝い金)に関しては、税金のことは無視してだいじょうぶ。



(3) 満期に受け取る満期保険金は、受け取る人によって課税の仕方が異なる。「一時所得」、「所得税」、「贈与税」などの対象

郵便局の学資保険には「満期」があります。
満期になると、満期保険金が受け取れます。
これはまとまった金額です。

この満期保険金にも税金がかかりますが、
どういった税金がかかるかは、この満期保険金を受け取る人が「だれ」に設定されているかによります。

○ 受取人が契約者の場合
契約者の一時所得になり、下の計算式によって課税されます。

満期保険金−払込保険料総額−50万円÷2

この計算式を見て、(2)の生存保険金のとき同様に、クスリと笑ってしまった方もいるでしょう。
そうです。
そもそも、現在の郵便局の学資保険は、最も貯蓄性の高いタイプを選択しても、
満期保険金が払込保険料総額を上回る契約は存在しません。
ということは、上の計算式の答えは、−になるのは明白で、したがって、課税額は「0」に決まっています。

○ 受取人が被保険者か契約者・被保険者以外の人の場合
まず、保険の被保険者とは、その保険の対象になる人のことですから、
学資保険の場合、こども本人に決まっています。
そして、契約者・被保険者以外の人とは、
たとえば、

契約者が父親
被保険者がこども
受取人が母親

といったケースの「母親」になります。

この場合、
つまり、満期保険金の受取人が、被保険者であるこどもであったり、
あるいは、母親であったりした場合は、
契約者である父親から満期保険金を「贈与」されたと見なされ、
贈与税が課せられます。
※もちろん、契約者が母親であれば、父親が「契約者・被保険者以外の人」になります。

贈与税の計算式は、下記のようになります。

満期保険金−基礎控除額(110万円)

どうでしょう?
この計算式に当てはめると、ほとんどの場合、課税対象になることがおわかりでしょう。
所得税よりも贈与税の方が税率が高いのです。

つまり、こういうことを憶えておいてください。
よほどの事情がない限り、学資保険の受取人は、契約者に設定しておくべきなのです。
そうでないと、しっかり税金を取られます。
お忘れなく。




(4) 親などの扶養者が死亡した場合、以後毎年受け取る育英年金は、こどもが受け取る場合はこどのも所得と見なされ、「所得税」の対象に

これは学資保険にかかわる税金のなかで、最もやっかいな項目です。

郵便局の学資保険には、通常の「学資保険」と、もうひとつ「育英年金付学資保険」があります。
この育英年金付学資保険に加入している場合で、
保険期間中に、親など「扶養者」と設定している人物が死亡した場合、
以後、満期になるまで、毎年「育英年金」が被保険者であるこどもに支払われます。

この、親の死後に満期まで受け取る「育英年金」は、
それを受け取るこどもの雑所得と見なされ、所得税が課せられます。
確定申告しなければなりません。

また、申告の問題とは別に、
「育英年金」の額にもよるのですが、
こどもが所得を得ることによって、
こどもが母親の扶養家族から外されてしまう、ということが発生する可能性が出てきます。
※ 契約者が父親の場合

さらに、本来、母子家庭に支給されるはずの児童手当が、
こどもに所得があるために、受け取れなくなる可能性も出てきます。

したがって、後に遺されたこどもが心配だからと、
高額な「育英年金」を付けることは、ちょっと考え物です。
「育英年金」が出るタイプの学資保険は、
ベーシックタイプよりも保険料が高くなりますが、
上記のような問題もあるので、
余分な保険料を支払うよりも、
その分は、貯金にまわした方がいいのでは。
何でも「保険」に頼るのは考えものです。



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